国重さんから学ぶ〈ナラティヴ・アプローチ〉の講座を実施しました!

昨年の春、ニュージーランドにナラティヴ・アプローチを学びに行ったのは、組織開発のアプローチの中でナラティヴという言葉に出会ったから。でも当たり前ですが、ニュージーランドに行ったからといって分かったふりができるほど簡単ではありませんでした。
その後も国重浩一さん(Kouさん)から、そしてニュージーランドで出会った仲間たちから、ナラティヴを学び続けています。ナラティヴはじんわりと少しずつ少しずつ沁み込んでくるイメージで、そして温かさと共に深く内省する機会を私に与えてくれます。まだまだ研鑽の日々ではありますが、組織に向き合う私たちにとって、とても大切なことが語られていることだけはしっかりと受け止めています。

この大切な時間を自分の場でも開くことはできないか、という思いからこのKouさんの講座は生まれました。
テーマは、組織に起こりがちなディスコースを扱うことに・・・タイトルは『問題解決にはまり込まずに問題をほぐす”ナラティヴ・アプローチ”による対話の実践』ということに決まりました。サブタイトルにつけた「組織開発やファシリテーションの実践に役立つスキルとマインド」は、まさに私がナラティヴに期待する可能性を言葉にしてみたものです。
組織ではその構造から自分の見えている世界だけを捉えて全てを理解した”つもり”になり問題解決に走り出すことが多いように思います。でもそれが実は組織をより固く硬直化させ、そこにそもそもあったはずの芽吹きの可能性をつぶしているとしたら悲しいことです。ナラティヴはそんな問題を見る目を別の風景を見る方向に誘う視点を持っています。ただ、だからといってそのやり方をいかに手に入れるか?という話ではなく、そのために何に対して自覚的になり、どんなことに目を向けるのかをいつもKouさんから学んでいるように思います。
今回Kouさんは、組織開発の本にある「見える化」「ガチ対話」「未来づくり」という3ステップについてほんの少しだけ触れてくれました。そこから私個人が受け取ったことは、今何を「見える化」しているのかについて俯瞰的であること大切さです。組織の問題が見える化されたと思ったところにも私たちのディスコースは影響しているし、また場合によってはその「ガチ対話」によってディスコースをより強固なものにしている可能性も孕んでいる・・・このことを知っておくことはファシリテーターにとってとても大事だと考えさせられました。そして場には「常に語られていないことがある」前提に立っていることの重要性を改めて再認識させてくれた場だったと思います。

改めましてこのような場を共に創ってくれたKouさんに感謝します!

Kouさんから参加者の皆さんにメッセージをいただきましたので、共有します。

~~~Kouさんからのメッセージ~~~
組織開発やファシリテーションの実践においてナラティヴ・アプローチが活用できるのではないかという期待あるなかで、ナラティヴ・アプローチの基本的なところについて語る機会をいただきました。この期待は、もしかしたらまだ予感のようなものかもしれませんが、今までの取り組みに見られた行き詰まり感を、ナラティヴ・アプローチの視点から活路を見いだしていけるのではないか、というものなのでしょう。

私は、ナラティヴ・アプローチに取り組んでかれこれ20年近くになりますが、組織開発やファシリテーションの実践の領域における経験はほとんどありません。そのため、この領域でどのように活用できるのか、という具体的な話をすることができないのです。そこで、みなさんに委ねなければならないことは、対人支援の領域で取り組んで来たナラティヴ・アプローチを、みなさんが取り組んでいる領域でどのように活用できるのだろうかということの検討です。

このこと自体を求めることは、組織開発の領域においては、新しいことではないとみています。「組織開発の探求」などを読むと、この領域は心理学を大いに参考にしながら発展してきたように見受けられます。一方で、手法論的に取り入れることの危うさも組織開発の歴史の中に見て取れます。

ナラティヴ・アプローチは、その手法の効用を前面に出してうたい文句にしていません。そうではなく、それが倫理的な実践であることを常に伝えようとしているのです。倫理的な実践が意味することは、社会文化的に維持されている当たり前とするものの見方によって、周縁化されている人々を視野に入れようとする試みのことです。

そして、私はワークショップの中で、どのようにしたらこの点の重要性を伝えることができるのだろうかと試行錯誤しています。このワークショップが、技術的なものを学ぶという機会というよりも、この倫理的なことを考える機会になってくれたらと願っているところです。

みなさまとまたご一緒できるのを楽しみにしています。今後ともよろしくお願いします。

国重浩一
ナラティヴ実践協働研究センター
ダイバーシティ・カウンセリング・ニュージーランド
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また、参加者の皆様へナラティヴの問いを少し意識してアンケートで問いかけてみました。掲載にご了解をいただいているものだけご紹介します。
この体験が誘ってくれた場所で皆さんの未来の可能性が広がっていくことを願っています。

~~~参加者の声~~~
『この体験はあなたをどのような場所に誘ってくれると思いますか?』

人が生き生きと、その人らしく生きる、働く社会につながると思う。
企画の幅が広がる。
仕事を再開したい。
薬剤師として活動。
人と話す楽しみを理解する。
自分の抱える課題に向き合う上で今までなかったアプローチのヒント。
あなたの大切に思っていること、私の大切に思っていることの両方を大切にする対話ができる場づくり。
今日の体験でお互いに問いかけることを通して、改めて自分の大切に思っていることや歴史など初心に戻って組織に関わることを思い出すことができました。それを持ちながら今までトライしてこなかった活動にもチャレンジしたいと思います。
多様性を認め合う組織。
まずは自分の周囲3mから。
少しバージョンアップ?。
本質的な変化、成長(個人/組織として)。
今まで立ったことのない新しい場所。
よりよい質問をすることを考えること。
場を俯瞰して見る立ち位置。
一方通行ではない関係性の構築に役立つと思う。
面談で従業員からの情報収集ではない効果(意味づけ)ができそう。
安全に表現できる場所を増やす。
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3月11日で準備企画していたものが、世界の想定外の事変によって延期され、形もオンラインに変えての6月12日の場となりましたが、結果的には色々な地域の皆さんに出会うことができ、ご参加いただいた皆さまには本当に感謝しております。

また、当日は残っていただける方で「余韻の会」を実施しました。そして1か月経った7月15日には「ふりかえりの会」ということで参加者の有志の方とまたオンラインでつながる場を開いてみました。同じ体験をした仲間と語り合うことで、また体験が深まっていく時間が楽しかったです。

自分の現場に引き寄せていくのは自分自身であり仲間たちとの語りなのかもしれませんね。
ということで、これからも引き続きそんな語り合いの時間も創っていけたらと思っています。

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