「ナラティヴ・セラピーのダイアログ」を紐解く旅路。

自分と対話していく旅の道程で心洗われ癒されていく時間

昨年9月から毎月1回、5か月間かけて続けてきた「ナラティヴ・ダイアログを紐解く会」が1月22日に最終回を迎えました。

「ナラティヴ・セラピーのダイアログ」の本を真ん中に、ダイアログ1:自分に向かう「八つ当たり」という逐語を私たちなりに読み解き、3名の対人支援者の解説を紐解いていく旅でした。
長い旅路になるので、どのくらいの皆さんが集まってくださるか不安でしたが、集まってくださった皆さんのおかげで、本当に密度の濃い時間になったと思います。

本を紐解いていく中で、わかっているつもりのあらゆることがアンラーニングされていく、その繰り返しだった5か月間。
「人が問題なのではない。問題が問題なのである」

プロセスラボラトリーでは、『そもそも可能性はそこに存在し、自ら芽吹く力を持っている』という考え方を大切にして事業に取り組んでいますが、このナラティヴ・アプローチを実践するカウンセラーの在り方に触れることは、人や組織に向き合う我々実践者にとっても本当に大切な本質があるよに思います。

そして、このダイアログ1の主人公である「さくらさん」が最後に書いている言葉も染み入ります。
「自分自身がどのように自身に向き合っているか、その深さ以上にクライエントと共に過ごすことは出来ない」

私たちがこの場に集まり、共に読み解く中で、それぞれが自分自身に向き合い続けてきたのではないかと思います。時に癒しになり、時に痛みにもなったかもしれません。
それはまるで、ホスピタリティ溢れるホテルで一人ラウンジに座り、自分と対話をしているような。旅の道程で心洗われ癒されていく中で、自分の中に湧きあがる声を聴く余白が生まれていくような、そんなことに近かったのかも。

それこそが旅の豊かさであり、楽しさなのである、と心から思う私です。
そんな旅路にここまでご一緒してくださった皆様に心から感謝いたします。

日々の日常は色々なことに追われ時にエネルギーを吸い取られることもあったりしますが、「月に一回のこの場を目標に頑張って過ごしてきた」という言葉が何よりうれしく勇気づけられました。
プロセスラボラトリーにとって『幸せに生きる』とは、『一人ひとりが自分らしく活かされ、共に成長しあえる仲間と共にあること』
この場がそんな時間になっていたら、と心から思っています。

旅路を共にしてくれた仲間たちと振り返り

この旅路の場をひらいてみて振返ってみて、ファシリテーションでは安心安全の場づくりを大事にしているけれど、あらためてなぜこれが大切なのか、昨日の皆さんの感想で言語化してもらったので、記録しておきたいと思います。

一つ目。
「遠慮なく、自分を押さえず話す」ことが出来ること。
「あっという間に時間が過ぎる」感覚。ここから、ココに居ていいんだよ、っていうメッセージが受け取れるのかもしれない。
二つ目。
とはいえ「つい喋り過ぎちゃた」と自分の振舞いを振り返る余地も持てるのも効果かも。
この”それぞれが自分を振り返りながら他者を慮ることができること”。ここから、相互の関わりあいが育まれるんだなぁ。
三つ目。
聴いているだけの人は、話すことを「押さえているわけじゃない」し「好奇心で、聞いている」だけかもしれない。
また、「喋るまでの意見を持ててない」かもしれない。
一方で「わかっていないまま」何かを発見したくて「わからないことをわかろうとして話している(問うている)」人もいる。
そんな色々な人たちをイメージしてプロセスデザインすることが大切。
四つ目。
そして、お互いの関わり方をみんなで受け止め合いながら、「対話によって気づきがあり、さらに深く考えたり、皆さんの経験に接しより豊かになる」と感じると、この学びに「はまりそう」になる。

ナラティヴでは”関心を分かち合うコミュニティ”という言葉がありますが、この場はまさにそんな場だったのかもしれません。