相手を知ろうとすることが仕事

お客様のところに出向いてワークショップをする際に、メンバーの上長の方たちとお話をする機会があります。
部門長の皆様、それぞれにここまで歩んできたヒストリーがあり、そのマネジメントスタイルもそれぞれの個性が伺えて、とても興味深く感じています。

先日は、領域の違うところに上長として異動した際に、その方が意識したこととして、「自分が一番そこでの知識がない」ということ。そして、「部下を知ること。部下の仕事を知ること」をやり続けてきた、とおっしゃったのです。
その話を聴いて、なんて素敵な考え方なんだろうと思うと共に、上に立つものとして「一番知っていなければならない」という思いこみが多くのマネジメントを縛り付けているのではないかと考えました。一番知っていなければと思うと、部下に質問するなんてことはできなくなります。
でも、一番知らないところに立ってみることで、メンバーとつながることの意義が生まれてきます。
これは、その部署がその部長と共に息づいて動き出していく、一番のきっかけになるに違いないと思いました。

別の日のことです。いつものオンサイトワークショップの翌日に、以前お世話になった部門長さんが役員になって責任を持っている工場に見学に伺うことが出来ました。
数年ぶりに再会しましたが、変わらずのお姿に嬉しくなりましたが、その工場で扱っているラインナップやお客様について説明していただき、これまで聴いたことのない領域のビジネスだったこともあり、作り方から、売り方から、新しい話ばかりでとても勉強になりました。
この部門長さんも、数年前にお仕事をさせていただいたところから、全く領域の違うところに異動されたことを思い出した時、どれだけこの工場について知ろうとされてきたのか、どれだけその工場のお客様を知ろうとされてきたのか、その語りを聴くだけで、どの努力が私たちにも伝わってきたように思います。

知っているから役職があがっていくわけではない・・・そういうことなのでしょう。

マネジメントとは、「知ろうとする仕事」
ビジネスを知ろうとすること、メンバーを知ろうとすること。

そして、私たちファシリテーターの仕事も、そのようなお客様を知ろうとすること。